2012/08/17

コロコロカラリンコロコロコロ

 街(まち)を歩いていると、いろいろな音が聞こえてくるね。ゴーゴーとかヒュウヒュウとか、トントンとかコツコツとか、それはそれは たくさんの音が聞こえてくる。そんな音をひとつ拾(ひろ)って、何の音か想像(そうぞう)してみると、とっても おもしろい。昨日じいちゃんはベッドの中でこんな音を聞いた。コロコロカラリンコロコロコロ、コロコロカラリンコロコロコロ。何の音なのかとても不思議だったけれど、ずうっと聞いていた。いろいろ想像するうちに、屋根の上で その音が鳴っていることに気づいたんだ。

 音がするということは、何かが移動(いどう)したり、ほかのものと ぶつかったり、ふれたり、こすれたりしているんだね。たとえばギィギィと音がしたとき、あるいはガタッと音がしたとき、きみは何が音を出しているのか 想像できるかな。ドアの音かな、それとも・・・何だろう、考えてみて。

 話をもとに戻すと、コロコロカラリンコロコロコロ、コロコロカラリンコロコロコロは金属の屋根の上を、小枝が風によって、行ったり来たりして出していた音ということが わかった。その小枝がどんな動きをしていたのか考えると、とても楽しくなってきた。風と小枝と屋根がみんなでつくった音なんだ。そこでじいちゃんは、コロコロカラリンコロコロコロ、コロコロカラリンコロコロコロを絵にしてみようと思いついたんだ。幾度(いくど)も、幾度もためしてみて、何枚も、何枚も描いていって、ようやくコロコロカラリンコロコロコロ、コロコロカラリンコロコロコロの絵ができた。けれども まだ終わりじゃない。また描いているんだよ、コロコロカラリンコロコロコロ、コロコロカラリンコロコロコロを。
 きみも気になる音をさがして、その音を描いてみてほしいな。音を絵にするって どんな気持ちか味わってみて。


2012/06/08

空にうかぶ雲はクジラかな、それとも…


丸めがねじいちゃんのおはなし

街(まち)を歩いていると、何かに にているものによく出あうね。じいちゃんは河原が好きで、時間があると、川の水の流れる音を聞きながら、いろんな石をひろってながめてる。するとその石がとつぜん何かに見えてくる。子犬のこともあれば、かいじゅうのときも、にくたらしい友だちの顔に見えてくることもある。それが「想像力」というもの。日本のことばでいうとね「見立て―みたて」というんだ。
「見立て」はね、とっても楽しいあそび。何に にているか、お友だちやいろんな人といっしょに考えるんだ。すると思ってもみないものに にているように思えてくる。自分とほかの人の想像力のちがいを楽しむんだね。雲を見て、クジラといったり、オットセイといったり、ひょうたん島だったりと、まったくちがうことばが生まれてる。

写真をとって、そのとき生まれたことばを書いておくと おもしろい。いくども見ていくと、ちがうものにも見えてくるからね。それが観察(かんさつ)するということで、そこに考えることも生まれてる。じつは それがつくることにつながっているんだね。おもしろいものが見えてきたら、いつか丸めがねのじいちゃんに見せてほしいな、やくそくだよ。